Amazonのピザ2枚ルールを聞いたことがありますか?ランチの話と思いきや、実はチームマネジメントの話のことなのです。AmazonのCEOジェフベゾスはピザ2枚を綺麗に食べきれるぐらいの人数がチームの最適な人数だと考えています。アメリカのピザって大きそうですが、この理論ではだいたい5~8人を想定しています。チームが10人以上で構成されることもよくありますが、ジェフベゾスがこの人数にこだわる理由はいくつかあります。
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「何もしない人」を容認しない
このピザ2枚ルールは、特にミーティング(会議)への参加人数を決めるときに役立ちます。ミーティングへの参加人数が多くなると、何もしない人(=発言しない人)が出てくるのです。上図はフリー画像サイトから借りてきたものですが、6人が話し合っている場面の写真です。全員が意欲的に話し合いに参加しているように見えませんか?このようにピザ2枚ルールに当てはまる人数でのミーティングでは、一部の人が無関心でいたり、適当に過ごしたりすることは難しいと思います。
ミーティングへの参加人数を必要最低限にするという取り組みは、Amazonだけが実施しているわけではありません。イーロン・マスクがスペースXのミーティング中にメンバーの一人にこう発言したことが話題になりました。
You haven’t said anything. Why are you in here?
あなたは何も発言していない。なぜここにいるのですか?
出典:Quora "How does Elon Musk run his famously efficient meetings?"
少し乱暴な言い方ではありますが、発言しない人はミーティングに参加する必要がないというイーロンの考えがよく表れている発言です。この発言について、その場にいた元社員がこのように話しています。
That may be borderline rude, but it makes sense. Don’t be in a meeting unless there’s a purpose for it; either to make a decision, or get people up to speed. In most cases, an email will suffice.
この発言はボーダーラインに触れるぐらい失礼なのものだとは思いますが、一方で道理にかなっているとも感じます。目的もなく会議にいるべきではない。会議へは決断を下すため、参加者に必要な情報を提供するために参加するべきです。たいていのやり取りはEメールで十分なのです。
出典:Quora "How does Elon Musk run his famously efficient meetings?"
最後の「たいていのやり取りはEメールで十分」という言葉の裏には、ミーティングがEメールに代わることのできない特別な機会であるという意味が隠れています。参加者それぞれの時間を奪うという意味では、ミーティングはかなりのコストを消費する業務です。AmazonにはFrugality(=倹約、節約)という概念があり、お金や時間の消費に非常に厳しい目を持っています。参加しているふりをして話を聴いていない人を生み出さないために、6ページの資料を用意し、ミーティングの冒頭で参加者全員が数十分間に渡って読む時間が設けられています。
1ページャー、6ページャーについては別記事で詳しく紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
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ピープルマネジメント的な利点
ピザ2枚ルールはミーティングだけでなく、もっとも効率的なチームの構成人数という意味もあります。沢山の人が関われば関わるほど多くのアイデア・意見が集まって創造的になる、という考え方もありますが、Amazon CEO:ジェフベゾスは人が多く集まりすぎることで生産性が落ち、非効率になると考えています。あるプロジェクトに5~8人以上の人間が関わるようになると、一人当たりの貢献の割合が少なくなることで、誰がどんなタスクを担当しているのかチームのメンバーも、それをまとめるマネージャーも把握しづらくなってきます。管理職(マネージャー)の適切な部下の数は5~7人だとも言われています。
まとめ
ココがポイント
- ピザ2枚ルール=5~8人(ピザ2枚を食べきれるぐらいの人数)のこと
- ピザ2枚ルールは、活発なミーティングを促す
- ピザ2枚ルールは、ピープルマネジメントの点からも効率的
この記事を書いた人:おまち