あんまり頻繁なミーティングは意味がないともいわれますが、そんな意識からミーティングはいつも適当に過ごしているという人も多いでしょう。しかし、ミーティングは過ごし方を変えるだけで大きな収穫が期待できます。多くの人が一同に集まる貴重な空間で、チーム全体の仕事を整理し、自分の仕事ぶりをアピールすることもできるのです。今回はそんなミーティングの質を上げるアジェンダ(議題)の作り方とミニッツの取り方を紹介します。
目次
アジェンダとは?
アジェンダ(英:Agenda)とは、ミーティングで話し合う議題のリストを意味します。いくつかの議題がまとまったもの(=リスト)を指すので、基本的には複数形(-s)で使うことはありません。前もって参加者から議題を募り、遅くともミーティングの一日前には全員にアジェンダを共有しておきましょう。事前に議題を把握しておいてもらうことで、スムーズなミーティング進行が期待できます。
アジェンダのテンプレート
アジェンダはその後、話し合ったことを書き込んでミニッツ(議事録)となるので、議題だけではなく日時や参加者も記載するようにしましょう。議題ごとに所要時間を記載すると、ミーティング進行が一層スムーズになりますよ。
[ミーティングのタイトル]
日時:
参加者:
アジェンダ
- 議題1<担当者名>(10分)
- 議題2<担当者名>(10分)
- 議題3<担当者名>(10分)
商談やプレゼンの記録に応用する場合は、適宜「場所」や「資料」などを追加してください。
議題が決まらないときは
アジェンダが決まらない、集まらないときは「議題の抽象化」を意識してみてください。例えば、こんな議題のことです。
- いつもの仕事を10倍楽しくする方法
- 無駄に感じている作業
- 残業をなくすために必要なことは何か
かなり抽象的な議題なので、ブレインストーミング(ブレスト)の感覚で楽しく話せそうですよね。定例ミーティングがマンネリ化してしまってキャンセルを考えているような状況でも、このようなアクティビティを取り入れると、普段カチコチに固まった頭がほぐれて斬新なアイデアや抜本的な改革に繋がることも少なくありません。基本的に誰しも自分自身のタスクに集中しているので、このような提案が出てくるとチーム全体のことを考えている人物として上司から見ても高評価ですよ。
ブレストについては別記事で詳しく紹介しています。こちらも参考にしてみてくださいね。
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ミニッツ(議事録)の書き方
ミニッツ(議事録)は、ミーティングの中で話したこと・決めたことを記録するものです。記憶は案外曖昧ですから、後からミーティングの内容を振り返る際には非常に役立ちます。そのミーティングを欠席した人も後からミニッツを見ることで、参加した人と同じ認識を持てるぐらい詳しいものであることが理想です。
- プロジェクトA(担当:田中)
- ターゲットが多すぎるのではないか?
- ターゲットの範囲について再確認
後からこの議事録を読み直すと、当初のターゲットの範囲やなぜターゲットが多すぎると判断されたのか、誰がどこにターゲットの範囲をいつまでに確認するのかが確認できません。一方、赤字を足したこちらはどうでしょうか?
- プロジェクトA(担当:田中)
- ターゲット(働く女性20~50代)が多すぎるのではないか?→競合商品〇〇のターゲット層は働くF1層
- ターゲットの範囲についてマーケティング部〇〇さんに8/3のミーティングで再確認
ほんの少し書き足しただけで、内容が深まりましたね。情報の漏れを防ぐことでチームの認識を統一することができます。ミニッツを書き慣れていない人は、ミーティング中に話されたことほぼ全てを書き記すつもりで記録しましょう。ミーティング終了後、必要に応じて箇条書きに書き直すなどして読みやすい状態に整えてください。
【+α】ミーティングの質をさらに上げるために
振り返り・タスク化を忘れない
ついミーティングに出席するとやり切ったような感覚になり、次のミーティングまでに前回の振り返りや次回の準備をすることなく、また次回のミーティングに出席する・・・というルーティンに陥りがちです。新しいミーティングが始まるたびにこれまでの記憶がリセットされるような状態は非常に勿体ないです。ミーティングの中で話し合われたことについて、「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を必ず決める(=タスク化する)ようにしましょう。次回のミーティングの冒頭では、各タスクの進捗状況を確認するところから始めたいですね。曖昧になりがちなことを見える化・タスク化し管理する能力はプロジェクトマネジメントに必須です。重要な仕事も任せられる人間として周りからも評価されることでしょう。
プロジェクトマネジメントについては別記事でも詳しく紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
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ミニッツ共有・タスクのマネジメント
ミニッツが出来上がったら、シェアポイントなどのチーム全員がアクセスできるプラットフォームか、メールで全員にシェアしましょう。また、もし余力があれば次回の会議が迫ってきたときに、前回のミーティングで発生した各タスクの担当者にリマインドしてあげると良いですね。チーム全員が期限に厳しく、進捗報告が活発になされるようになると、チーム全体の意識も高まり、生産性も上がります。
上司やメンターとの1on1でも活かす
アジェンダを事前に作成しミニッツを後から共有するこの方法は、一般的なミーティングで活用されることが多いですが、上司やメンターとの1on1(1対1の面談)でも活用することができます。お喋り好きな人との1on1では、相手の話が長引いたり話が脱線したりしがち。しかし、そんな相手であっても事前にアジェンダを決めておくことで、軸のブレない会話が期待できます。ミニッツもあればお互いに今までにどんな話をしたのか振り返ることもできますね。1on1でこのやり方を行う人は多くないですから、上司やメンターから非常に好印象を与えるでしょう。
1on1については別記事で詳しく紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
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まとめ
ココがポイント
- アジェンダはミーティングで話し合うことのリスト
- 遅くとも一日前に議題を募り共有する
- 議題が決まらないときは「議題の抽象化」
- ミニッツは可能な限り詳しく書く