「部下(後輩)に頑張ってほしいのに、本人はあまりやる気がないみたい。」
「指導しようと思うとついダメ出しになっちゃう・・・。」
部下や後輩の育成に悩んでいるマネージャー・先輩のみなさん、日ごろ部下や後輩を褒めていますか?
「フィードバック」と「ティーチング(教える)」、「コーチング(指導)」との区別はついていますか?
実は、部下や後輩を育てるためのコミュニケーションにはさまざまな種類があるんです。
この記事では、その中でも部下や後輩との関係性が改善したり、やる気を出してくれたりと良いことづくしの「ポジティブフィードバック」について、その方法や効果を詳しく紹介しています。
この記事はこんな方におすすめ
- 部下や後輩の育成に悩んでいる人
- 部下や後輩と良い関係性を築きたい人
- 部下や後輩のやる気を引き出したい人
目次
フィードバックとは何か?
そもそも「フィードバック」とは何なのでしょうか?
もともと「フィードバック(Feedback)」という言葉は、20世紀の始めに電気工学の分野で「機械やシステム、プロセスの結果を原因に戻すこと」という意味で使われていました。
The initial meaning of feedback, while related to these senses, is somewhat different: “the return to the input of a part of the output of a machine, system, or process.” This use came from writing on electrical science in the early 20th century.
その意味から転じて、「相手の行動(言動)について、より良い結果が生まれるように本人へ評価や改善点を伝えること」という人材育成的な意味を持つようになりました。
フィードバックの目的(目指すこと)
フィードバックの目的は、その人の成長ないしは組織全体の成長ですが、何を伸ばすかによって大きく二つに分かれます。
それは、その人の良いところをさらに伸ばす「ポジティブフィードバック」と良くない部分を修正する「ネガティブフィードバック」です。
ポジティブフィードバック | ネガティブフィードバック* |
良いところを褒めてさらに伸ばす | 直すべきところを指導して修正する |
*ネガティブフィードバックは、「指導的(コレクティブ/Corrective)フィードバック」と呼ばれることもあります。
ちなみに「フィードバックがない状態」も、部下への影響があります。
これは「悪くない(うまくいっている)」というメッセージにもなりますが、場合によっては「(上司は)気にかけていない」、「(上司は)忙しい」というメッセージにもなりえます。
この記事は、特に大切な「ポジティブフィードバック」を解説していきます。
ココに注意
「ティーチング」「コーチング」と区別する
フィードバックと混同しやすいのが、教えることが目的の「ティーチング」と相手のモチベーションを高めることが目的の「コーチング」です。
フィードバック | ティーチング | コーチング | |
目指すこと | 相手の良いところを伸ばす(良くないところを補う) | 相手が知らないことを教える | 指導を通じて相手のモチベーションを高める |
フィードバックやコーチングは、コミュニケーションを通じて相手が自分自で成長の機会を見つけることを目指しています。そのため、どちらかというと一方通行に近い「ティーチング」とは区別する必要があります。フィードバックとコーチングの違いですが、コーチングはフィードバックに比べて相手の行動よりもモチベーションを高めることにフォーカスしています。
相手のいまの状態をしっかり見つめ、本当に必要なコミュニケーションはどれなのか考えると良いですね。
ポジティブフィードバックのやり方
ここから実践的なポジティブフィードバックのやり方について紹介します。
何をポジティブフィードバックするのか?
フィードバックする対象は、
- 業務成績
- チームのために取り組んだこと
- 改善を図ったこと
などの「結果」だけでなく、その結果にいたるまでに・・・
- 起こした行動
- 取り組んだ姿勢
- 考えた/感じたこと
などの「プロセス・人柄」も含まれます。
これらの要素のどれをフィードバックしてもよいですが、なかでも「人柄」についてフィードバックするのが有効的だといわれています。
このあと、ポジティブフィードバックの実践例を紹介します。
ポジティブフィードバックの実践例
さきほどの項目で「結果・プロセス・人柄」のうち「人柄」をポジティブフィードバックするのが有効だと説明しました。
「結果・プロセス」をフィードバックする例と「人柄」をフィードバックする例を見比べてみましょう。
「結果・プロセス」をポジティブフィードバックする例
「結果」や「プロセス」のフィードバックでは、相手が認識している結果やプロセスをあなた自身もちゃんと認識していることを伝えます。
「人柄」をポジティブフィードバックする例
「人柄」のフィードバックでは、その人の内面を認識することで相手の自己肯定感やモチベーションの向上に繋がり、相手の良いところをさらに伸ばすように後押しすることができます。
ポジティブフィードバックの「いつ」行うか?
ポジティブフィードバックは、望ましい行動や姿勢を見つけたときに「すぐ」、または決まった頻度で「定期的」に行うことが重要です。
「結果」が出るまで待つのではなく、そこにいたるまでの過程で望ましい「プロセス」や姿勢などの「人柄」を見つけたらすぐにフィードバックしましょう。
即座にフィードバックすることで、相手もあなた自身も記憶が新しいうちに望ましい行動・姿勢を認識することができます。
また、定期的な面談や昇給・昇進などの重要なタイミングで実践することも大切です。
ポジティブフィードバックの効果
ポジティブフィードバックを定期的に実施することで、このような効果を得ることができます。
- 相手のモチベーションがあがる
- 相手の成長につながる
- 良好な人間関係が築ける
ポジティブフィードバックは、「あなたの良いところを認識しているよ」というメッセージを相手に伝えるコミュニケーション方法です。
「自分のことを知ってくれている」というメッセージは安心感や自己肯定感につながります。
望ましい行動・姿勢をポジティブフィードバックすることで、相手は自然とそれらの良い行動・姿勢を続けようと努力します。
その行動・姿勢をさらにポジティブフィードバックすることで、成長の良いサイクルを作り出すことができます。
[まとめ]部下や後輩のやる気がみなぎる!ポジティブフィードバックのやり方
いかがでしたか。
ポジティブフィードバックを実践したことがない人は、まず相手の良いところを見つける習慣を付けましょう。
良い行動・姿勢を見つけたら、すぐに相手に伝えてみてください。
相手は「自分のことを見てくれている」と感じ、自然と自己肯定感やモチベーションが高まります。
そうなれば成長はすぐ目の前。
相手は良いところをもっと見てもらおうと、努力を続けるはずです。
そのような習慣が身に付くと、チーム全体に良い人間関係の種をまくこともできます。
日ごろ、「部下や後輩にネガティブフィードバックばかりしているな・・・」という人は、ぜひポジティブフィードバックを取り入れてみてくださいね。
この記事を書いた人:おまち