みなさんは会社の上司や先輩と面談することはありますか?顔を合わせて話す時間は大切ですが、いざ始まると「何を話したらいいのか分からない」「相手の話が長くて自分の話したいことが話せなかった」などの経験を持つ人は多いのではないでしょうか。この記事で紹介する4つの話題を面談に取り入れることで、相手から成長に役立つヒントを得ることができるようになります。今回はメンターとメンティー(メンターからインプットをもらう側)のどちらの役割にとっても効果的なマインドセットについても触れていきます。
目次
1on1(ワンオンワン)とは
1on1(ワンオンワン)とは、上司と部下、同僚同士などが1対1で話す面談のことを指します。メンターとの1on1は、メンティーが抱える業務上の問題やプライベートの悩みをメンターに相談し、アドバイスを得ることでより高いパフォーマンスを発揮することが期待されています。メンターはメンティーに的確なアドバイスを行うために、ビジネスの知識や傾聴する力が試されます。これらのソフトスキルはピープルマネジメントに役立つため、面談はメンターにとっても大きな成長の機会となります。
面談は1回あたり30分~1時間、頻度は多くて週1回または少なくとも2か月に1回実施するのが理想的です。双方の継続的な成長を図るために、事前に頻度を決め、定期的に面談する必要があります。開始前もしくは1回目の面談で、その後どんな頻度で実施するか決めておくのが良いと思います。
メンターの選び方
実際、メンターについて決まった定義はありません。先輩でも違う部署の人でも、社外の人でも構いません。成長の手助けをする、という意味では上司もメンターと同様の役割を持っていますが、直接の上司には相談しにくいこともあるでしょう。そのため、メンターは違う部署の人が最も適していると個人的には思っています。何か疑問に感じていることも異なる視点から意見をもらえることで解決策が見えることもあるでしょう。
一方で、メンターにこだわらず色んな人と気軽に1on1の機会を持つことも非常にお勧めです。どんな人であっても、自分にはないSuper Powerを持っています。周りの人すべてをメンターに見立てて学ぶ姿勢は一番の成長の鍵だと思いますよ。
1on1の4つの話題
面談は会議と違い、必要に迫られた議題がないので話題に悩んでしまいますよね。そんなときはこれら4つの話題を参考にしてください。
- Update(アップデート)
- Input(インプット)
- Approve(アプルーブ)
- Question(クエスチョン)
それぞれについて簡単に紹介していきます。
Update
前回の面談から今回までの間にあった、メンティー側のアップデートをメンターに報告します。成長を感じられたこと、あるいはうまくいかなくなってしまったことなど前回からの変化を話してもらいます。例えば、前回やってみようと話していたアイデア・取り組みを実際に行ったのか?その結果はどうだったのか?行えなかった場合、できなかった理由は何なのか?何が問題となっていたのか?などです。
Input
Updateを受け、メンターからメンティーに助言します。メンティーにとってプラスになるような、考え方やスケジュール・タスク管理の仕方を提供します。場合によっては本やYoutubeの動画、学ぶためのツールや機会を教えてあげるのも良いと思います。
Approve
日本語だと「承認」という意味です。メンターが上司の場合には、やってみたいアイデアやプロジェクトを実際に取り組んでみてもいいかどうか聞いてみるのが良いでしょう。メンターとメンティーが上司と部下のような関係性ではない場合、必ずしもメンターが承認するかどうかの内容にはならないかもしれませんが、意味を拡げて「メンターの意見をもらう」時間にすると良いと思います。「承認・意見」をもらうには、まずメンティーが提案を用意している必要があります。自分の成長のためにこんな挑戦がしてみたい、といったメンティーの積極的な姿勢が必要です。
プロジェクトの始め方・進め方については別記事でも紹介しています。
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Question
メンティーからメンターに質問をする時間です。メンターのほうが、メンティーよりも社歴や経験が長い場合が多く、メンティーが委縮してメンターの質問を待ってばかりということもあります。なんでもメンターから聞いてもらうのではなく、メンティー側がまず聞きたいことを用意しておくようにしましょう。
持つべきマインドセット
1on1に慣れてきたころ陥りやすいのは、お互いに緊張感がなくなり、アイスブレイクの延長線上で世間話や愚痴で盛り上がって終わってしまうことです。1on1を重ねるごとに新しいアップデートが行われるように、メンターのメンティーの両者が常に「成長」を意識することが大切です。
メンターのマインドセット
先ほども話したように、1on1の目的はメンティーの成長です。つまり、1on1の主役はメンティーであることを忘れないようにしましょう。メンティーが先ほどの4つの話題(Update, Input, Approve, Question)に従って話してくれるのが理想的ですが、それが難しい場合はメンティーに自由に話してもらいましょう。メンティーにとって気負いなく何でも話せる相手になることで、目には見えなくても彼らの精神的な支えとなることができます。あまり口を挟んで説教チックになると信用を失い、これまで話してくれたことも話してくれなくなります。まずは聞き役に徹しましょう。
ただし、一つだけ注意点があります。それは、愚痴・悪口は聞かないということです。聞き役に徹するべき、とお話ししましたが、愚痴・悪口はストップさせてください。愚痴・悪口からは何も生まれません。「そうだよね」などと同調するのも好ましくありません。問題と愚痴・悪口の線引きは、それがチームや会社のゴール(目標)に悪影響を及ぼすかどうか、また自分たちの力で変えられるものかどうかで判断するのが賢明です。たいていの場合、愚痴・悪口は私たちの力ではどうにもならないことだったり、人それぞれの性格や特徴に関することが大半です。一人ひとりの個性を重んじる一方で、問題については改善案とセットで話し合うことを心掛けましょう。
メンティーのマインドセット
メンターとの面識が少ない場合には、まずはお互いに自己紹介から始めるといいでしょう。これまでの経歴も共有しておけると、どんな経験をしてきたのかに応じてメンターからのアドバイスも的確なものになっていきます。また、メンターとの1on1で話すことはメンティーの評価に影響しないので、感じていることや困っていることを正直に話してみましょう。仕事に関する悩みを真摯に聞いてもらう機会は意外と貴重なものですから、これを大いに活用して自分の中に新たな視点を取り入れられるようになると良いですね。
ときに、メンターから予想外の意見をもらうこともあるでしょう。共感してくれないことで裏切られたような気持ちになるかもしれませんが、メンターはあくまでメンティーの成長に必要な助言を行っているまでです。理解できない場合にはその旨を伝えた上で、次にどんなアクションを取るかメンターと話し合いましょう。気が進まないことも、やってみることで得られる経験があります。一度話し合いの中で決めたことはしっかりやり切りましょう。
それでも相手にネガティブな感情を持ってしまうことはありますよね。メンタリングを解消することも選択肢の一つですが、ほかに相手から学べることが無いか探ってみるのも一つの手です。この記事は上司に限定していますが、メンターに対しても同様に考えることができると思います。
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1on1以外でのメンターとメンティーの関係
1on1が終わったら、次の機会まで音沙汰なし、となると次に会うのが億劫になりますよね。お互いに小さな報告やインプットをしあえるような関係性が理想的です。メンティーだけではなくメンターも成長するためのメンタリングですから、1on1を経て気づいたことや成長を感じたことはメンティーから積極的にメンターに報告したいものです。さらなるメンティーの成長に向け、メンターもより一層パワーアップしようとします。メンターもメンティーの成長ぶりを感じたときには積極的にフィードバックできると良いですね。
まとめ
ココがポイント
- メンターは成長のアドバイスを与える人
- メンターは先輩や同僚、社外の人でも良い
- 30分~1時間の1on1を定期的に実施する
- 4つの話題(Update, Input, Approve, Question)が効果的