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Courseraのコースの一つを実体験に基づいてレビューします。
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「Coursera」というプラットフォームをご存知ですか?これは、有名大学や大企業の講座をオンラインで受けることができるサイトの一つなんです。今回は、ペンシルバニア大学の "English for Career Development" という5週間の講座を筆者が実際に体験し、どんな内容をどんな教材で学んでいくのかを紹介していきます。
目次
Courseraとは?
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Courseraは大学や企業の講座を受けることができるプラットフォームです。
Courseraとは2012年に、スタンフォード大学の教授2名(そのうち一人はベンチャー企業の創設者)によって創設された巨大なオンライン講座のプラットフォームです。このようなプラットフォームは頭文字を取ってムークス(MOOCs, Massive Open Online Courses)とも呼ばれ、世界の大学の授業をオンラインで提供するサービスのことを指します。
Courseraについては別記事で詳しく紹介しているので、こちらも参考にしてください。
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English for Career Development(ペンシルベニア大学)
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ペンシルバニア大学がアイビーリーグの一つで、名門校と言われています。
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概要欄をよく読まずに「英語でキャリアを構築するコース」と思って受講した筆者でしたが、実際には就活生向けでした(汗)。しかし、この講座で学べるレジュメ(履歴書)の書き方や採用担当者に使うべき丁寧な英語表現、自分のスキルや能力を魅力的に表現する方法は、外資系企業への転職を考える人に必ず役立つ情報です。また、課題を提出したり、他の受講生の課題を添削したりする経験は、まるでプチ留学のような体験ができて楽しいものでした。
この講座の概要
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- アメリカで就活を考えるノンネイティブ英語スピーカー向け
- 「求人を探す方法」~「応募方法」~「面接のプロセス]までを網羅
- ノンネイティブ向けなので、単語や文法、アメリカ文化・作法への理解もサポート
これらの特徴から分かるように、一番の対象者はアメリカでの就活を考えている大学生です。しかし、就活生ではない人にとって全く役に立たないというわけではありません。現在、外資企業で働いている筆者からすると、この講座で学ぶことは外資企業への転職・異動に役立つものばかりです。外資で働いていると、レジュメを英語で提出したり、面接を英語でこなしたりするのは一般的。外資への転職を少しでも考えている人なら、受けておいて損はありません。
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講座の難易度
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ある程度の英語力は必須です。
前述のように、この講座は就活生を対象にしているため、内容自体は易しいですが、易しいと感じられるかどうかは英語力次第です。ある程度、英語に自信のある人が適してます。筆者の独断で考えると、TOEICスコア600~700ぐらいあれば問題ないと思います。ただ、もともと受講生をノンネイティブと想定しているので、母国語が英語じゃない人にとっても理解しやすいようにかなり工夫がほどこされています。動画内で先生が話すスピードはかなりゆっくりですし、すべて文字起こしされています。
スケジュール
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この講座の全体スケジュール
この「English for Career Development」の講座は、上図のように修了まで5週間を想定しています。各週3つずつ必須の単元が割り振られており、それぞれに締切が設けられています。締切に遅れても、すぐに失格となることはありませんが、経験上、一度締切に遅れると、どんどんやる気とスピードが落ち、修了のゴールが遠のいていきます。毎週、締め切りを守ってこなしていくことが最も効率的です。いっぽう、どんどん前倒しで先の単元どんどん進めていくことも可能です。
1週間でやるべきこと
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1週間のカリキュラム
1週間のカリキュラムは、このようになっています。毎週、同じくらいのボリュームで設計されています。スクリーンショットの4週目では、「推定所要時間: 5時間14分」となっていますが、実際にはそんなにかかりません。慣れてくると1~2時間あれば1週間分のカリキュラムを終えられます。
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サイドバー
1週間の内容は、およそ3~4つの単元に分かれています。教材の種類は大きく分けるとこの5種類です。
- 動画を見て内容を理解する
- テキストを読む
- 1か2の内容についてテストに合格する
- 課題をこなす
- +αの課題をこなす
それぞれについてより深く解説していきます。
動画
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動画教材
一つの動画は長くて5分程度となっています。先生が話す内容は、同じページにすべて文字起こしされているので、聞くだけでは理解が難しい人でも読んで内容を理解することができます。
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動画内に簡単なテストが登場します
1つの動画の中に、1~2回ほど抜き打ちテストが登場します。必ず正解しなければ講座を修了できないわけではありませんが、動画を聞いていれば問題なく正解できる簡単なクイズなので、すべてのテストを正解できるようにしましょう。
テキスト
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テキスト教材
大体すべての単元にテキスト教材が含まれています。それほど長いものではないので、さらっと読むことができます。テキスト教材はBasicとAdvancedの二種類が用意されています。時間に余裕のある人は、Advancedのほうを読むようにしましょう。テキスト教材の理解度を測るためのテストがその次に待ち構えています。
クイズ
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テスト
テストは、70~80%以上の正解で合格となります。一度不合格になってしまうと8時間経過しないと再挑戦できない仕様になっているので、心して臨んでください。とはいえ、内容自体は難しいものではありません。正解は動画やテキスト教材の中に含まれています。ちゃんと内容を理解することができれば合格できます。
課題
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課題
毎週1回、このような課題提出が求められます。画像の4週目では、採用担当者とのエレベータースピーチ*を想定して、自分のことを5~6文ぐらいで紹介する文章を書きなさい、という課題でした。それぞれの課題にはクライテリア(条件)があるので、必ず守るようにしてください。それぞれのクライテリアをクリアしているかどうか、他の受講生3人から採点されることになります。
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合格するとこんな表示が。
課題を提出し、他の受講生3人のレビューが終わったら、他の受講生が自分の課題をレビューしてくれるのを待ちます。この講座は人気があり受講生が多いので、だいたい1日経たないうちに採点が終わっています。採点が終わったら、この画像のように他の受講生がどんな採点をしたのか見ることができます。
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他の受講生がどんな採点をしたか見ることができます。
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+αの教材
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coursera_advanced
テストや課題提出など、必須項目をクリアしたら+αの教材が用意されています。画像の中でハイライトしているように、この教材は講座の修了に必須ではありません。余力のある人はトライしてみてください。
修了証
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修了証は有料です
全てのテスト・課題をクリアしたら講座を完了したことになります。この講座を修了したことは、修了証でLinkedInや公的な書類に記載することができますが、残念ながら(?)修了証のダウンロードは有料となっています。2020年12月11日現在、画像に記載の通り5,112円かかります。支払い方法はクレジットカードかPaypalとなります。
コースを終了してみての感想
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「喜びをかみしめてください」
この講座は私にとって初めてのCourseraでしたが、いくつもの学びがあり、英語学習としても非常に優れた教材だと感じました。聴く・読む・書くの3つのスキルをバランスよく鍛えることができました。講座の中では話す機会こそありませんが、間接的に英会話力も鍛えることができたと思っています。というのも、動画内で先生の話す英語が、非常にシンプルかつ、聞き手にとって最も分かりやすい順序・言葉選びで構成されているからです。普段の仕事でも活かせそうな表現を学ぶことができました。また、一つ講座を修了したことで、Courseraの面白さが分かったと同時に自信もつきました。またすぐに別の講座を始めてみようという気持ちになっています。生涯学習の一つとしても非常にお勧めです。
まとめ
Courseraは一流大学の講座を無料で体験することができる素晴らしいプラットフォームです。インターネットさえ繋がれば、どこにいても、お金をかけなくても、最先端の学びを得ることができるんだ、という無限の可能性に気づかせてくれます。この講座の内容自体は難しくないので、英語学習教材としての活用がオススメです。
この記事を書いた人:おまち