みなさんは毎日どれくらい残業していますか?毎日残業ばかりでへとへと・・・という人も多いはず。かくいう筆者は現在GAFAに勤めていますが、残業はほぼゼロ(2020年の残業時間は、9月現在で合計30分だけ)です。しかし、初めから残業ゼロにできたわけではなく、前の会社で営業をしていたときは毎日少なくとも2時間は残業していました。その間に何があったのかというと、実は物凄い努力をした・・・というわけではなく、先輩から教えてもらった目から鱗のマインドセットと、本で読んだタスク処理のテクニックでした。今回は残業をせずに帰るためのポイントを大きく2点に分けて紹介します。
目次
なぜ残業を減らした方がいいのか?
まず、残業がなくなると自由な時間が増えます。自由な時間で遊びや学び、休息に当てることができます。筆者が毎日2時間以上の残業をしていたときは、寝不足のために集中力が欠け、仕事はミスばっかりでした。そうして注意されることが多くなると自信とやる気がなくなり、だんだんと明日が来てほしくない・・・という心理になり、疲れているのにさらに夜更かしを続ける・・・という負のスパイラルに陥りました。現在では自分で自分の仕事をコントロールできるようになったことで、自分の人生は自分が作り上げているもの、という感覚を持っています。残業がなくなることで、精神的な安らぎを得ることができます。この感覚は残業に追われているうちには絶対に持てなかったものだと思っています。
次に金銭面です。残業代が出ない人は、いくら残業しても給料も増えず、可能な限り残業したくしないと思う人が多いでしょう。一方で、基本給が低いなどの理由で、残業代で少しでもお金を稼ごうと自ら進んで残業する人もいるようです。お金を稼ぐ、という目的にフォーカスした場合、短期的に見ると残業すればするほどお給料は増えますが、長期的に見た場合、残業に使っていた時間で語学やビジネススキルを身に着けた方が、昇給・昇格のチャンスに恵まれます。また、やむを得ず現在の仕事を辞めることになっても、それらのスキルがアピールポイントに繋がって、他の仕事に就くチャンスを増やすこともできるのです。
みんなに交じって残業しないと、昇進が望めない・・・と考える人もいると思いますが、本当にそうでしょうか?他の社員と同じくらい残業するだけであれば、差別化は図れず、あなたが選ばれる理由にはなりません。「働き方改革」が叫ばれている今日において、残業の多い社員は要領の悪いタイプと思われることも少なくないでしょう。少子高齢化、定年の延長・・・。私たちが抱える問題は色々ありますが、自分の人生設計を立て直すためにも、まずは自分で自分のことを見つめる時間をつくりだすために、残業を減らすことから始めてみませんか?
何が残業の原因となっているのか?
残業は、予定された時間よりも仕事をしている時間が長いということです。自分で想像している「~時間くらいで終わるだろう」よりも、実際にかかっている時間が長いのです。このあと詳しく説明しますが、やること(TODO)リストを作って「上からやっていこう!」という考えだけだと、このリストに時間の概念・完成度の概念が抜けています。そうすると、それぞれの人の頭の中にある「できた」と思う基準に達するまで作業し続けてしまうため、いつの間にか残業となってしまっているのです。まずは完成度の概念について、次の章で説明していきます。
タスク処理術1: 「仕事は6割できればOK」
今の会社に入って、先輩から言われた衝撃の一言があります。
仕事ではいつも100点を目指して頑張っていませんか?私はそうでした。100点どころか、120点ぐらいの成果を出さないと評価されないんじゃないかと思っていたので、先輩からのこの一言は本当に衝撃的でした。しかし、これは「適当にやれば良い」という意味ではないんです。このことがよく伝わる文章が、ある本に書いてあったので引用します。
みなさんが普段使っているスマートフォンのアプリを例に挙げて考えてみましょう。アプリは一度配信が開始されても、その後幾度もアップデートを繰り返します。(中略)あのアップデートはなぜ何回も繰り返し行われているのでしょうか?答えは、配信が開始された段階では100%の出来ではなかったからです。
「未完成品を売っているのか!」
そう思われたでしょうか?しかし想像してみてください。最初から100%の出来のものを作るなんて、可能でしょうか?
引用元:なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である(著 中島聡)
確かに!と思いませんか?前述の「6割の仕事」というのは、ここでのアプリと同じで「その仕事が機能を果たす最低限のラインまで完成させること」を指しています。自分の中にある100%の完成度に固執して作業し続けるのではなく、6割でまず終わらせ、次の仕事にどんどん移っていくことが重要です。
ちなみに、この本の著者:中島聡さんは「ドラッグ&ドロップ」や「ダブルクリック」などの概念を生み出した元マイクロソフト本社の伝説的なプログラマーです。こんな人でも「最初から100%の出来のものを作るなんて、可能でしょうか?」と呼びかけるのですから、「自分なんか無理だな」と妙に納得した筆者です。
タスク処理術2: タスク細分化 & まず終わらせる癖
前章では、「仕事は6割」という完成度の概念について説明しました。次は時間の概念です。
時間は有限です。残業せずに仕事を終わらせるには、どんなやり方をすれば良いと思いますか?「6割」の完成を目指すためには、その仕事に含まれるあらゆる要素のなかから「6割」にあたるものを見つけ出さなければいけません。そのために、まずは必要な工程を全て洗い出してみましょう。ここでAさんが作った、やること(TODO)リストを参考にしてみます。
(良い例)
- 案件A:提案資料作り
- データ集め
- データをPower Point資料にまとめる
- Power Point資料 誤字脱字チェック、データチェック
- プレゼン用台本作成
- 係長に確認依頼
- 係長のフィードバックを受け、手直し
- リハーサル
必要な工程がかなり細かく洗い出されていてとても良いリストです。意外と抜けがちなのが、上司や先輩に確認してもらったあと、必ず手直しする時間が発生することです。最後の最後で大幅な修正が必要とならないように、時間を見つけては作業の途中でチェックしてもらうようにしましょう。これだけでも良いですが、それぞれの工程にどれくらいの時間をかけるかを書き足すと完璧です。ここでも「6割の完成度」を頭に入れて作業時間を記入します。
(さらに良い例)
- 案件A:提案資料作り
- データ集め(1時間)
- データをPower Point資料にまとめる(1.5時間)
- Power Point資料 誤字脱字チェック、データチェック(30分)
- プレゼン用台本(スクリプト)作成(45分)
- 係長にWチェック依頼(半日~1日半)
- 係長のWチェックを受け、手直し(45分)
- リハーサル(30分)
- バッファー(40分)
こうしてそれぞれの工程に時間を振ったら、集中にして必ずこの時間以内に仕上げるようにしましょう。それでも、予定時間を過ぎてしまったり、必要な工程が抜けていたりするものです。初めから「予定通りにいかないかもしれない」という予測を立てておき、バッファー(予備時間)として30~40分ほど用意しておきましょう。バッファーを使うことなく時間内に6割の完成ができれば、余った時間を使って100点に近づけるもよし、別件に時間を繰り越してもよいでしょう。
また、仕事は自分ひとりで完結できるものばかりではありません。誰かの作業が必要になる場合、その人に事前に情報を共有し、十分な時間の猶予を与えましょう。今すぐ見て!と言われても、すぐに対応できない場合があります。その人の作業が遅れる場合も考えて、余裕のあるスケジュールを作っておきましょう。
まとめ
ココがポイント
- 残業を減らすと、長期的なメリットがある
- 仕事は「6割の完成度」を目指す
- 必要な工程を洗い出し、予定される作業時間を配分する
- 予定の作業時間を必ず守る
- それでも「遅れるかもしれない」猶予を想定しておく
いかがでしたか?100点を目指さなくていい、ということが頭の片隅にあるだけで、心がラクになりませんか?これを読んでくださった皆さんが、もっともっと学びたいこと・興味のあることに時間を費やせる豊かな人生になることを願っています。
この記事を書いた人:おまち