
Amazonの「Working Backwards」という考え方
Amazonの「Working Backwards(ワーキング・バックワーズ)」とは、「お客様を起点に考え、そこから逆算してプロダクトを作る」Amazon独自の意思決定プロセスです。
Amazonでは新しいサービスを作るとき、いきなり開発を始めるのではなく「完成した後のプレスリリース」から書き始めます。
この記事では、現役社員の視点からWorking Backwardsの考え方と具体的なプロセス(PRFAQ)をわかりやすく解説します。
某ア◯ゾン勤務9年目の会社員。目黒在住の1児の母。留学経験なし・帰国子女でもない純ジャパですが英検準1級だけを武器に転職成功!TOEIC最高925点。上司はインド人。日本人1人のチームで英語を使って働いています。外資転職 / 英語学習 / キャリア / 副業について実体験ベースで発信中!
この記事では、Amazonの文化の中でも特に重要なこのWorking Backwardsについて、元Amazon社員の視点から分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- Working Backwardsの意味
- Working Backwardsの具体的なプロセス(PRFAQ)
- 1ページャー・6ページャーとの関係
- Amazonの面接でWorking Backwardsが重要な理由
Amazonの面接対策としても頻出の考え方なので、ぜひ理解しておきましょう。
Amazonへの転職を考えている方や、Amazonの企業文化に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
AmazonのWorking Backwardsとは

「Working Backwards」は「お客様を起点に考える」という意味
Working Backwardsとは、「お客様を起点に考える」というAmazonの意思決定の考え方です。
直訳すると「後ろから働きかける」という意味ですが、ここでいう「後ろ」とはお客様のことを指します。
多くの企業では「新しいアイデアがある → 商品を作る → お客様に売る」という順番でプロジェクトが進みます。
しかしAmazonでは逆です。
まず最初に「お客様にとってどんな価値があるのか」を考え、そこから逆算してプロダクトを作っていきます。
この考え方がWorking Backwardsです。
なぜAmazonではWorking Backwardsが重要なのか

Amazonは「地球上で最もお客様を大切にする企業」
Amazonは創業以来「地球上で最もお客様を大切にする企業」になることを目標にしています。
この考え方は、Amazonの行動指針であるOur Leadership Principles(OLP)にも表れています。
OLPの最初の原則はCustomer Obsession(お客様へのこだわり)です。
Amazonでは
- 競合ではなくお客様を見る
- 短期利益より顧客価値を優先する
という文化があります。
Working Backwardsは、このCustomer Obsessionを実践するための具体的なプロセスなのです。
※OLPについては以下の記事で詳しく解説しています。
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Working Backwardsの具体的なプロセス

Working Backwards法=最初にプレスリリースを書くこと
Working Backwardsでは、新しいプロジェクトを始めるときにいきなり開発を始めることはありません。
まず最初に、お客様を起点にしたいくつかの質問からスタートします。
Working Backwardsの5つの質問
Amazonでは次のような質問をもとにプロジェクトを考えます。
- お客様は誰なのか?
- お客様が抱える課題は何か?
- そのサービスが提供するメリットは何か?
- お客様のニーズをどうやって知ったのか?
- お客様の体験を具体的に描けているか?
これらの質問に答えながら、最終的に社内向けのプレスリリースを作成します。
プレスリリース(PRFAQ)を書く
Working Backwardsでは、最初に完成した製品を発表するプレスリリースを書きます。
このプロセスはAmazon社内では PRFAQ(Press Release & Frequently Asked Questions)と呼ばれています。
このプレスリリースは外部向けではなく、社内向けのドキュメントです。
ここでは
- どんなお客様の課題を解決するのか
- どんな価値を提供するのか
- 既存の方法より何が優れているのか
などをまとめます。
このプレスリリースは通常1〜2ページ程度のシンプルな文章で書かれます。
この文化はAmazonの「Day1」という考え方とも深く関係しています。
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FAQで詳細を検討する
プレスリリースを書いた後は、想定される質問をFAQ形式で整理します。
ここでは
- 実装上の課題
- ステークホルダーの疑問
- ユーザーの利用シーン
などを深く検討します。
FAQは場合によっては20ページ以上になることもあります。
お客様体験を図で可視化する

Amazonでは「利益<お客様」
さらに必要に応じて
- 画面イメージ
- カスタマージャーニー
- 利用フロー
などを簡単な図として作成します。
この段階ではモックや実装を作る必要はありません。
あくまで「お客様がどんな体験をするのか」を具体的にイメージすることが目的です。
1ページャー・6ページャーとは?
AmazonではPowerPointの代わりに、文章のドキュメントで議論を行う文化があります。
その代表的な形式が
- 1ページャー
- 6ページャー
です。
1ページャー
1ページにまとめた簡潔な提案資料です。
新しいアイデアや簡単な提案を共有するときに使われます。
6ページャー
より重要なプロジェクトでは、6ページの文章ドキュメントを作成します。
Amazonの会議では
- 最初の10〜20分
- 全員が黙って資料を読む
という独特の文化があります。
これは
- プレゼン能力に依存しない
- 情報を正確に伝えられる
というメリットがあるためです。
Amazonが実際にリリースしているPRFAQの例はこちらのAmazon公式サイトから見ることができます。
Amazonの面接でもWorking Backwardsは重要

面接で話すエピソードは「お客様」を軸に
Amazonの採用はすべてLeadership Principlesに基づいて行われます。
その中でもWorking BackwardsはCustomer Obsessionと強く関係しています。
そのため面接では
- お客様の課題をどう理解したか
- お客様の体験をどう改善したか
といったエピソードがよく聞かれます。
たとえ人事や経理など、お客様と直接接しない職種でも
- 社内のユーザー
- チームメンバー
などを「お客様」として考えることができます。
Amazonの面接を受ける場合は「お客様を起点に考えた経験」は必ず準備しておくとよいでしょう。
※Amazon面接対策はこちらの記事で詳しく解説しています
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【まとめ】AmazonのWorking Backwardsの考え方
Working Backwardsとは、「お客様を起点に考え、そこから逆算してプロダクトを作る」Amazonの意思決定プロセスです。
Working Backwardsとは、Amazonの意思決定を支える重要な考え方です。
ポイントをまとめると次の通りです。
- Working Backwardsは「お客様を起点に考える」という意味
- 新しいプロジェクトでは最初にプレスリリースを書く
- PRFAQでアイデアの価値を検証する
- AmazonではPowerPointではなく文章で議論する
- 面接でもCustomer Obsessionが重要
Amazonの文化を理解するうえで、Working Backwardsは欠かせない概念です。
Amazonへの転職を考えている方は、ぜひ理解しておきましょう。
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